猫の病気

愛猫の様子はおかしくありませんか?

重篤な病気を未然に防ぐためには、予防と早期発見・早期治療が大切です。ネコちゃんは言葉で異常や不調を訴えることができませんので、飼い主様が敏感に察知してあげる必要があります。こちらではネコちゃんに起こりやすい身近な症状と、考えられる病気についてご説明します。何か異変に気づいたら、すぐに大阪府和泉市の和泉動物病院までご連絡ください。

部位別の主な病気

目の主な病気

眼瞼(がんけん)炎

眼瞼炎とは、眼瞼(まぶた)に炎症が起きる病気です。アレルギー、細菌などの感染、外傷などが原因で起こります。また、免疫の異常により起こることもあり、全身疾患が原因のこともあります。

症状

片眼あるいは両眼に発生し、まぶたの充血や腫れがみられます。また、痛みやまぶたの痙攣、そして流涙などの症状が現れます。

治療

抗生剤や消炎剤の全身および局所投与により治療を行います。寄生虫性や真菌性の場合はそれに伴う治療が必要となります。目を気にして掻いていたり、こすってしまう場合はエリザベスカラーをつけることもあります。

予後

適切な治療をすれば予後は良好です。免疫の異常など全身疾患が原因の場合は、継続的な治療が必要なことがあります。

結膜炎

結膜炎とは、眼瞼結膜(まぶたの裏)や眼球結膜(白眼部分)に炎症が起こる病気です。細菌やウイルスなどの感染、外傷などが原因で起こります。アレルギーなどが原因で起こります。また、免疫の異常により起きることもあり、全身疾患が原因のこともあります。

症状

目やにがたくさん出るようになるほか、目の充血、目の腫れ、痛み、痒みなどの症状が現れます。

治療

抗生剤や消炎剤の全身および局所投与により治療を行います。寄生虫性や真菌性の場合はそれに伴う治療が必要となります。目を気にして掻いていたり、こすってしまう場合はエリザベスカラーをつけることもあります。

予後

適切な治療をすれば予後は良好です。免疫の異常など全身疾患が原因の場合は、継続的な治療が必要なことがあります。

角膜炎および角膜潰瘍

角膜炎とは、角膜の表面に炎症が起きる病気です。感染、乾燥、まつ毛などによる刺激、免疫の異常などが原因で起こります。
角膜潰瘍とは、角膜上皮を越えて実質まで角膜が欠損している状態をいいます。さらに悪化すると角膜の穿孔(せんこう)が起こります。

症状

痛み、流涙、目やに、充血、角膜の混濁などの症状が現れます。

治療

膿性の目やにが見られる場合や二次感染の予防のために抗生剤(目薬・内服)の使用や、
角膜上皮を保護する目薬、障害の進行を抑える目薬などを使用します。症状の程度によっては血液から作製する血清を点眼することがあります。
深い角膜潰瘍などの場合は潰瘍部分を結膜などの組織で覆う外科的処置を必要とする場合があり、その場合は専門の病院を紹介させていただくことがあります。
目を気にして掻いていたり、こすってしまう場合はエリザベスカラーをつけることもあります。

予後

適切な治療をすれば予後は良好です。しかし、気付くのが遅れた場合や病気の進行が早い場合は、失明にまで至ることがあります。
再発をすることもあり、注意して経過をみていく必要があります。

眼瞼内反症

眼瞼内反症とは、瞼のふちが内側に折り返された状態になる病気です。結膜炎や、瞼の傷跡が収縮することなどで起こります。ペルシャネコに時々みられ、先天的な要因でなる場合と、後天的な要因でなる場合とがあり、後天的な場合には外傷が主な原因となります。

症状

折り返された瞼の毛が目の表面を刺激することで、涙や目やにが出るようになります。

流涙症

流涙症とは、涙管から涙が溢れる病気です。涙の過剰分泌、涙管の詰まり、先天性の奇形などが原因で起こります。そのほか、感染症、眼瞼炎、角膜炎などの病気が原因で起こることもあります。鼻の短いヒマラヤン、ペルシャなどに多くみられます。

症状

涙が溢れて顔に流れてしまうほか、目頭から鼻の脇にかけての毛が変色したり、涙の過剰分泌により結膜が赤く腫れたりするなどの症状が現れます。

耳・鼻の主な病気

外耳炎

外耳炎は鼓膜から外側の耳道に発生する炎症性疾患です。発生には多くの因子が関与しており、物理的要因(異物、腫瘤性病変)、基礎疾患(アレルギー性疾患、角化異常、代謝性疾患など)、外部寄生虫、細菌感染、マラセチア感染などが組み合わさり、病態を悪化させていることが多いです。外耳炎は慢性化すると、治療のために侵襲性の高い手術が必要となることがあり、外耳炎の治療は早期に対処していくことが重要です。

症状

後肢で耳を掻く、頭を振る、耳垢が多い、耳から膿が出る、耳が臭いなどの症状が出ます。

治療

耳垢の検査、耳道内の検査を行い、原因を見つけて、それに応じて治療法を選んでいく必要があります。過剰な耳垢が蓄積していることが多く、洗浄液を用いて耳道内をキレイにします。炎症に対する治療も重要であり、軽度の炎症であれば点耳薬を使用し、重度あれば内服薬で治療を始めます。感染が認められる場合は抗生剤を使用します。耳道が重度に狭窄し、内科治療に反応しない場合は、外科手術の適応となります。

予後

外耳炎は早期に適切に治療を行うと予後はいいですが、慢性化すると治療に反応しにくくなり、外科手術が必要となるので注意が必要です。

耳ダニ症

ミミヒゼンダニというダニが耳道内または耳介に感染し、増殖することで生じる病気で、強い痒みが特徴的です。また、仔犬や仔猫に認められることが多いです。

症状

耳に強い痒みを生じるため、後肢で耳を掻く、頭を振るなどの症状が出ます。また、暗色~黒色の耳垢が特徴的です。

治療

ミミヒゼンダニに効く駆虫薬を使用します。犬、猫に容易に感染するため、多頭飼育の場合は症状のない子にも駆虫薬を使用することが大切です。

予後

駆虫することにより、ほとんどが治癒します。

鼻炎

いわゆる「猫風邪」とも言われる病気です。鼻炎の原因となるものは特発性、真菌性、異物、アレルギーなどがあり、そこに細菌が二次的に感染し、病態を複雑にします。猫伝染性鼻気管炎や猫カリシウイルス感染症が原因で起こっている可能性もあります。原因に合わせた治療を行わないと、再発や慢性鼻炎になることがあります。

症状

くしゃみ、鼻水、鼻出血、疼痛、悪化すれば呼吸困難などの症状が認められます。

治療

治療するにあたり、鼻炎の原因を特定するが大切です。そのため、当院では慢性の鼻炎、鼻出血の症例にはCT検査を提案しています。原因が判明すれば、原因に合わせて治療を行います。

予後

特発性の慢性鼻炎は治癒することはほとんどないため、症状の緩和が目的となります。

口の主な病気

歯周病

歯周病とは、歯垢中の細菌に対して生体の炎症性反応により引き起こされる病気のことをいい、歯肉の炎症により歯肉ポケットができること(歯肉炎)と歯の周りの組織に炎症が起きること(歯周炎)を総称したものを歯周病と呼びます。

症状

口臭、ヨダレ、口の痛み、鼻水やくしゃみ、歯茎からの出血、歯が抜ける、顎の骨が折れるなどの症状が現れます。また、最近では歯周病に関連した細菌により心臓や腎臓、肝臓など他の臓器に悪影響を及ぼす危険性があります。

治療

デンタルグッズによるオーラルケアや麻酔下での歯石除去により口腔内の環境を清潔にすることが重要です。歯周病が進行している場合は抜歯が必要になることがあります。

予後

適切なケアや治療をすることで口腔内の環境を清潔に保つことができ、歯周病の進行を防ぐことができます。すでに進行している場合は抜歯などの処置により治療することができます。

猫の歯肉口内炎

猫の歯肉口内炎とは、口腔の粘膜に発赤や潰瘍などがみられる病気のことです。 原因として口腔内細菌やウイルスの関与、口腔内の免疫の異常などがあり、その他にも慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症などの全身疾患が考えられています。 また、歯周病と併発することが多く、歯垢・歯石の付着による口腔内の環境の悪化や歯周病の重症度に伴い発症率が高くなるといわれています。

症状

流涎(よだれ)、口臭、痛みによる嚥下困難や食欲低下、口腔内出血、毛並みの悪化、体重減少などの症状が現れます。

治療①内科的治療

抗生剤、ステロイド剤、消炎鎮痛剤、免疫抑制剤、猫インターフェロンの投与があります。

治療②外科的治療【歯石除去】

歯石除去による口腔内の清掃により、ある程度の改善がみられます。 しかし、家庭でお口のケアができない場合は再び口腔内の環境が悪化し、歯肉口内炎の症状がみられることがあります。

治療③外科的治療【抜歯】

抜歯は最も改善率の高い治療方法です。 ただし、抜歯による外科治療は手術難易度が高く、麻酔時間も長くなります。そのため、手術前に全身状態を評価することが重要となります。 抜歯には全臼歯抜歯(犬歯以外の歯の抜歯)と全顎抜歯(全ての歯の抜歯)の2種類あります。 全顎抜歯の方が改善率は高いといわれていますが、犬歯を抜くことで顎の骨が折れやすくなるなどのデメリットもあります。

予後

内科的に治療するか外科的に治療するかで経過は異なります。 内科的治療では、一時的な改善が得られても完治まではいかず、投薬をやめると数週間から数ヶ月で再び症状が悪化します。また、次第に治療に対する効果が悪くなっていくことが多いです。 外科的治療の抜歯は改善率の高い治療法ですが、抜歯後の経過はその子により異なります。 完治に1ヶ月から数年を必要とする場合もあれば、改善されない場合もあります。

歯根の吸収

歯が徐々に溶けて小さくなり、顎の骨に吸収されてしまう病気です。破歯細胞という細胞が原因で起こり、歯が根元から溶けています。以前は虫歯の症状と考えられていましたが、近年では「被歯細胞性吸収病巣」や「歯頸部吸収病巣」などの名称の病気と考えられます。日本の猫の半数近くがこの病気にかかっていると言われています。

症状

歯が徐々に溶けて小さくなるほか、よだれが出たり、出血したりすることがあります。痛みをともなう場合には、歯に触れられるのを嫌がるようになります。

皮膚の主な病気

ノミアレルギー性皮膚炎

ノミアレルギー性皮膚炎とは、皮膚で炎症やかゆみなどが起こる病気です。体表に寄生したノミが原因で、耳の後ろ、背中、腰、肛門、陰部などでかさぶたができ、脱毛します。寄生しているノミの数が多い場合には、貧血を起こすこともあります。

症状

激しいかゆみのために、ストレスがかかって睡眠不足になることもあります。

好酸球性肉芽腫症候群

好酸球性肉芽腫症候群とは、皮膚で炎症が起こる病気です。原因ははっきりとわかっていませんが、ハウスダスト、ノミの咬傷、蚊の刺咬、食べ物などが原因で起こると考えられています。猫によくみられる皮膚病の1つです。

症状

首、腹、腰背部に肉芽様の病変ができたりするほか、激しいかゆみなどの症状が現れます。

スタッドテイル

スタッドテイルとは、尾腺部で炎症が起こる病気です。尾腺部とは尻尾の付け根に近い背中にある、脂を分泌する腺のことで、何らかの原因により尾腺の皮脂分泌が過剰になることで起こります。尾腺の皮脂分泌が過剰になる原因ははっきりとわかっていません。ペルシャやシャムなどで多くみられ、未去勢の雄の猫がなりやすいとされています。

症状

尾腺部まわりの毛が汚れたり、悪臭がしたりするほか、腫れ、化膿などの症状も現れます。猫が患部を気にして頻繁に舐めたり、引っ掻いたりすることで脱毛することもあります。

体内器官の主な病気

慢性腎不全

前立腺肥大症とは、雄の犬の生殖器の1つである前立腺が肥大する病気です。去勢していない6歳以上の雄犬に多くみられます。前立腺が肥大することで、まわりの臓器を圧迫して、様々な障害を引き起こします。前立腺肥大症は去勢手術を受けることで、高い確率で予防できます。

症状

食欲がない、水をよく飲む、尿の量が多くなる、尿が薄いなどのほか、進行すると嘔吐、貧血、よだれが出るなどの症状も現れます。

治療

病気の進行を抑えるために、投薬や食事療法を行います。症状に応じて、輸液療法を行うこともあります。

予後

早期に適切な治療を行うことができれば、予後は良好なことが多いですが、乏尿(尿量が少ない)や無尿(尿が出ない)の期間が長く継続する場合は予後不良です。

尿石症(下部尿路症候群)

腎臓や、尿管、膀胱、尿道などに結石ができる病気です。結石ができる原因は様々ですが、細菌感染が原因となることもあります。結石により、粘膜が傷ついたり、結石自体が尿路の閉塞を起こしたりします。特に尿道が細い雄の犬、猫は結石が詰まりやすいので注意が必要です。完全に詰まると腎不全を併発することもあります。

症状

血尿が出る、トイレに行く回数が増えるなどのほか、尿が出にくくなるなどの症状が現れます。尿路の閉塞により腎不全を併発すると、食欲不振、嘔吐などの症状も現れます。

治療

食事の変更で結石を溶かします。細菌感染が原因の場合は、抗菌薬の投与も行います。結石が大きすぎる場合や食事の変更では溶けない結石の場合、手術が必要になります。尿路の閉塞により腎不全を併発する場合は、輸液療法などの腎不全の治療も必要になり

予後

予後は良好なことが多いですが、適切な予防措置を行わなければ再発する確率も高い病気です。また、尿路閉塞により腎不全を併発している場合、早期に治療を開始できれば予後は良好ですが、腎不全が継続すると予後は不良です。

生殖器系の主な病気

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症とは、子宮の内部に膿が溜まる病気です。子宮が細菌に感染することで起こります。通常5歳以上の猫に多くみられますが、若年期の猫にも起こることがあります。子宮蓄膿症は、避妊手術で予防することができます。

症状

元気がない、食欲がない、水をよく飲む、尿の量が増える、嘔吐、お腹が張る、陰部から血や膿が出るなどの症状が現れます。

治療

一般的に、卵巣・子宮を摘出する手術が第一選択となります。(高齢の場合や麻酔・手術のリスクが高い場合、抗菌薬の投与など内科的な治療を行うこともあります。)

予後

早期に適切な治療を行うことができれば、予後は良好です。しかし、発症してから時間が経過している場合や子宮内の膿が腹腔内に漏れ出てしまった場合、予後は不良なこともあります。

乳腺腫瘍(乳がん)

乳腺腫瘍(乳がん)とは、乳房に腫瘍ができる病気です。避妊手術を受けていない高齢の雌猫に多くみられます。乳腺腫瘍は避妊手術を受けることで、高い確率で予防できるようになります。猫の乳腺腫瘍は、約80~90%が悪性です。悪性の乳腺腫瘍は、肺など他の臓器にも転移しやすいので注意が必要です。

症状

乳首のまわりに硬いしこりができるほか、症状が進行すると患部から出血したり、悪臭がしたりします。

治療

一般に推奨される治療は、外科的切除です。抗がん剤が必要かどうかは、腫瘍のタイプや病理検査により決定します。

予後

良性腫瘍は、外科的切除により完治します。悪性腫瘍は、腫瘍のタイプや大きさ、転移の有無によって予後は異なります。腫瘍の直径が3cm以下の犬は、それ以上の犬に比べ予後が良好なことが多いです。また、炎症性乳がんは極めて予後不良です。

包皮炎

包皮炎とは、ペニスを包む皮で炎症が起こる病気です。細菌に感染することで起こります。猫の包皮が細菌に感染することは珍しくありませんが、包皮内で細菌が増殖した場合を特に包皮炎と言います。

症状

包皮から膿が出たりするほか、痛みがあるために尿の量が減ったり、ペニスを気にする仕草を見せたりすることがあります。

内分泌系の主な病気

糖尿病

糖尿病はヒトだけではなく、ネコでも起こる病気です。糖尿病は、インスリンという膵臓から出るホルモンの量が少なくなることで起こります。日本国内では、特に起こりやすい猫種はなく、どの猫種でも認められる病気です。年齢は比較的高齢で起こることが多く、肥満体型にある動物がかかりやすいという特徴があります。

症状

特徴的な症状は、水を飲む量が多いこと、尿が多いこと、体重の減少が挙げられます。この状態を長期間放置してしまうと、最終的にケトアシドーシスという危険な状態に陥ってしまいます。ケトアシドーシスになると、食欲不振、嘔吐、下痢、元気消失、衰弱、昏睡などの症状が出てきます。

治療

基本的に、糖尿病の治療はインスリンを外部から体に補充することで行います。当院には複数種類のインスリンの注射液をご用意していますので、その子の状態に合わせて使用するインスリンを判断します。インスリンの注射はご自宅で毎日やっていただくことになりますが、注射の方法も丁寧にご指導させていただきます。

予後

早期の診断と適切な治療・管理がなされれば、長生きしてくれることが多いです。

甲状腺機能亢進症

甲状腺から出るホルモンが多くなってしまう病気です。この病気は高齢のネコによく認められる病気です。甲状腺ホルモンとは、活動性や代謝に関わるホルモンです。

症状

ご飯はよく食べるのに体重が減ってくる、活発になる、攻撃的になる、呼吸が荒くなるなどの症状が認められます。ネコによっては、逆に食欲不振や元気消失が認められることもあるので注意が必要です。

治療

甲状腺ホルモンの分泌を抑える飲み薬があります。この薬も飲むのをやめると効果がなくなってしまうので、ずっと飲み続ける必要があります。

予後

甲状腺機能亢進症の治療が適切に行われれば、危険な病気というわけではありません。しかし、高齢のネコに発生することが多い分、他の病気が併発していれば管理が難しくなる場合もあります。

循環器系の主な病気

肥大型心筋症

肥大型心筋症は猫で最も発生が多い心筋症です。心筋壁が厚くなることでうっ血性心不全を呈します。好発猫腫はメインクーンやペルシャ、アメリカンショートヘアーなどに多いといわれますが、日本猫でも多くみられます。

症状

初期の段階では症状を呈することは少なく、体重減少や心雑音によってみつかることがあります。 重度になると胸水や肺水腫が貯留し開口呼吸や呼吸困難がみられるほかに、後躯麻痺(血栓塞栓症)が起こることもあります。

治療

血管拡張薬や降圧剤、心拍数を落とす薬などを使用します。 またストレスにより症状が悪化することがあるので緊張をさせないことが重要です。 甲状腺機能亢進症になっている猫でも肥大型心筋症を起こすことがあるため、甲状腺ホルモンの検査も必要になります。

予後

症状のない猫では予後は良いといわれていますが、血栓塞栓症を呈した猫では予後は極めて悪いです。

呼吸器系の主な病気

猫の上部気道感染症

原因はウイルス、細菌、クラミジアなど、多岐にわたる多因性の疾患です。特にウイルスの猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルスが大きく関与しており、多頭飼育環境下にある猫での感染ならびに発症リスクが高いです。

症状

初期には沈鬱、くしゃみ、食欲不振、発熱、眼および鼻からの分泌物、流涎(よだれ)などがみられます。また充血や潰瘍性角膜潰瘍に至るケースや粘液膿性の分泌物になり、鼻腔や眼瞼をふさぐこともあります。 さらに重篤化すると呼吸困難や咳を引き起こす場合もあります。

治療

治療は抗ウイルス薬を使用したり、二次的な細菌感染にたいして抗菌薬を使用する必要があります。た猫ヘルペスウイルスは体内に潜伏感染するので生涯にわたって管理が必要になります。

予後

適切な治療を行えば概ね予後は良好ですが、症状改善後でもウイルスを排出し続けることには注意が必要です。 また猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルスに対するワクチンが利用可能です。 ワクチン接種によって発症時の症状が緩和されます。

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